ジニアスコートTIA
TiAlNは、高硬度と耐熱性を兼ね備えたチタン系窒化膜の定番です。
当社では、TiAlNをさらに進化させたコーティング「ジニアスコート TIA」を提供しています。
- Hv2600の高硬度
- 900℃の耐酸化性
- 当社独自の平滑コーティングプロセスも可能
膜種(基本構造)
- ジニアスコートTIA
窒化チタンアルミ(TiAlN)をベースとした単層構造
基本物性
ジニアスコートTIA
TiAlN
紫
2400~2600Hv
1~4μm
PVD
400~500℃
900℃
可(鋼)
基本特性
Excellent
Good~Excellent
(ラップ後)
Average
Excellent
Excellent
Excellent
特徴
-
1.耐熱性と高硬度を兼ね備えたコーティング
窒化チタンアルミコーティングは、900℃まで酸化しない耐熱性の高さが最大の魅力であり、同時にビッカース硬度で2400~2600Hvの硬度も持ち合わせていることも利用価値を高くしています。
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2.高硬度・高粘性の鋼材や超硬合金の切削加工能力に優れる
高い硬度を持つため高硬度鋼材や超硬合金用の切削工具のコーティングに適しています。 また切削時の摩擦熱にも耐えるため、高粘性の合金など削りにくい材料の切削工具にも適しています。
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3. 成膜温度が低い
比較的低温で処理できるPVD方式で成膜するため、基材の熱変形や変質を軽減することができます。
標準試験データ(特性比較データ)
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スローアウェイチップにおける耐摩耗性改善効果の測定データ
ドライ環境下でのジニアスコートTIAの耐摩耗性改善効果をTiCNコーティングの場合と比較しました。
下のグラフの通り、TiCNに比べて摩耗量が低減できていることが確認できました。
相性データ
基材 | 炭素鋼 | 合金工具鋼 | ハイス | ハイテン | SUS | 軸受鋼 | 超硬合金 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
TIA | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※成膜温度に耐えられる材料であることが前提となります。
相手材 | 炭素鋼 | 工具鋼 | ハイテン | SUS | 鋳鉄 | 銅 | アルミ合金 | プラスチック |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
TIA | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ | △ | △~○ |
除膜、再コーティングについて
鋼については除膜および再コーティングが可能です。
用途と効果
高硬度と耐熱性を兼ね備えたTIAコートは、高速切削工具に最適なコーティングです。 その他、耐熱性を活かした金型のコーティングにも適しています。
高速切削工具
硬度が高く、摩擦熱によるダメージが少ないため、高速切削用工具のコーティングに向いてます。
冷間金型
単位時間あたりの加工量が多く、加工による摩擦や発熱の多い場合にTIAコートが有効です。
打ち抜き金型の表面をコートすることで、せん断面との摩擦を軽減することが可能になり、せん断面のバリやキズの防止に役立ちます。また金型の寿命も長くなります。
機械部品、治具部品
ジニアスコートTIAブラックは、光沢の少ない黒色のコーティングであるため、反射防止が必要な部品での採用がお勧めです。
ジニアスコート 窒化系コーティングシリーズのラインナップ
弊社の「ジニアスコート(Geniuscoat)」は、「DLCコーティングシリーズ」「窒化系コーティングシリーズ」をベースに、お客様の課題に合わせたカスタマイズ仕様のコーティングをご提供しており、
お客様からご要望や各種条件をお聞きした上で、膜の構造設計として、基材との界面、表面、中間層の組成や多層構造化や傾斜構造化の要否の検討を行い、その膜を実現するためのベースとなるプロセスを選んだ上で、成膜条件や炉内にセットする治具等を検討していきます。
ここでは、カスタマイズのベースとなる標準仕様のファインコーティングのラインナップを詳しくご紹介します。