超硬合金製品の値上がり対策はできていますか?
いつもお世話になっております。日本アイ・ティ・エフ株式会社です。
新緑が目に鮮やかな季節となり、日増しに夏を感じる日が増えてまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。GW(ゴールデンウィーク)が明け、現場の稼働も本格化していることとお喜び申し上げます。
本日は、多くのお客様からご相談をいただいている「超硬合金の高騰対策」に焦点を当てた内容をお送りします。タングステン原料の供給不足から値上げが続く超硬合金に対し、コーティング技術を駆使していかにランニングコストを抑え、生産性を維持するのか。その解決策のひとつとして、DLCコーティングによるアプローチをご紹介いたします。
現在起こっている超硬不足の影響
現在、タングステン供給不足の影響により、超硬合金材料および製品の価格が大きく上昇しています。
その影響は超硬工具や超硬金型など幅広い分野に及びますが、特に超硬合金の使用重量が大きい金型を使用されている企業様にとっては、コスト面・調達面ともに非常に厳しい状況になっているかと思われます。
このような状況下で、「超硬の金型をできるだけ長く使用する」ことは、今後ますます重要になってきます。そこで今回は、超硬製品の長寿命化と再利用を可能にする「ジニアスコートHA(DLC)コーティング」の活用をご提案いたします。
ご提案内容:超硬金型の長寿命化対策
弊社のジニアスコートHA(DLC)コーティングは、高硬度・低摩擦・非凝着性を兼ね備えた炭素系硬質膜であり、プレス金型や摺動部品の耐摩耗性向上・焼付き防止に優れた効果を発揮します。
- 金型寿命の延長
摩耗の抑制やかじり・焼付きの低減により、金型そのものの寿命を大幅に延長することが可能です。
- 除膜再コートによる金型のリユース

本コーティングを施した超硬金型は、「除膜 → 再コーティング」が可能です。
「金型が大きく摩耗してから交換する」 から 「金型が摩耗しないようにコーティングしダメージが大きくなる前に除膜再コートして繰り返して使用する」 という考え方へのシフトが、現在のコスト対策には不可欠です。
DLCコーティング適用事例
弊社ではこれまで、多くの超硬金型や超硬工具にジニアスコートHA(DLC)を適用し、寿命改善を実現してきました。
コネクタ部品用 Niメッキ鋼鈑の曲げ加工金型へのジニアスコート HAX適用事例
| 適用製品/用途 | パンチ・ダイ・ストリッパー / 抜き加工 |
| 目的、改善機能 | 耐凝着性向上 |
| 詳細 |
( 被 加 工 材 )コネクタ用 銅合金(Niメッキ)又は アルミ材 板厚:0.4㎜ ( 金 型 材 質 )パンチ:超硬 又は ダイス鋼、 ダイ・ストリッパー:ダイス鋼 ( 適 用 膜 )ジニアスコート HAX HAクリアは評価中 |
| 結果 (成果・効果) |
ジニアスコート HAXの適用により、ノンコートと比較し約6倍の寿命延長となりました。どの加工製品も高精度の加工が求められ、弊社DLC膜の中でも平滑性に優れるジニアスコートHAXが好結果となりました。 【POINT】 *耐凝着性向上 *クリアランス |
各種アルミ絞り加工金型へのジニアスコート HA 1㎛適用事例
| 適用製品/用途 | 絞り加工金型 / ジニアスコート HA 1㎛適用事例 |
| 目的、改善機能 | 耐凝着性向上、メンテナンス工数軽減、美観 |
| 詳細 |
( 被 加 工 材 ) アルミ合金(0.5t) ( 金 型 材 質 ) 超硬(焼嵌め) サイズ(㎜):約Φ80×30t ( 適 用 膜 )ジニアスコート HA 1㎛ |
| 結果 (成果・効果) |
従来品ノンコートの加工寿命が1,000ショットに対し、HADLC 1.0umの適用により寿命は300,000ショットまで300倍向上しました。
金型ダイへのアルミ凝着が抑制できたため、製品外周部へのカジリキズがなくなり製品不良が激減しました。
また金型に付着するアルミを除去するメンテナンス作業を軽減できる効果が得られました。製品の外観では、化粧品などの高い意匠性を要求される製品にも多くの採用実績があります。 【POINT】 *耐凝着性向上 *カジリ低減 *メンテナンス工数軽減 *不良低減(歩留まり向上) |
プリント基板(PCBボード)加工用の細径ドリルへのジニアスコート HA 0.1㎛ 適用事例
| 適用製品/用途 | 細径ドリル / 切削加工 |
| 目的、改善機能 | 耐凝着性向上、耐熱性向上 |
| 詳細 |
( 被 削 材 )プリント基板(PCBボード) ( 工 具 材 質 )超硬 サイズ(㎜):Φ3 ( 適 用 膜 )ジニアスコート HA 0.1㎛ 加工条件:詳細非開示(ドライ加工) |
| 結果 (成果・効果) |
ジニアスコート HA 0.1㎛の適用により、従来品の他社水素含有DLCに比べ、寿命を5倍向上できました。 ノンコートでの比較では製品の穴内面粗度が改善され、Ra粗さは約2/3となりました。 【POINT】 *耐凝着性向上 *耐摩耗性向上 *仕上がり *耐熱性向上 |
ジニアスコート HA 0.1㎛処理したインサートチップでの各種アルミ材の切削加工時の刃先凝着観察
| 適用製品/用途 | インサートチップ / 切削加工 |
| 目的、改善機能 | 耐凝着性向上 |
| 詳細 |
( 被 削 材 )アルミ合金3種:A5052、A7075、ADC12 ( 工 具 材 質 ) 超硬 ( 適 用 膜 )ジニアスコート HA 0.1㎛ 加工条件:V=30m/min.Fz0.15mm/t. Tool=WEM3032E.切削長=36m.Dry |
| 結果 (成果・効果) |
ジニアスコート HA 0.1㎛の適用により、ノンコート品と比べ、凝着が抑制できました。凝着が少ない為、製品カジリも抑制でき歩留まり向上にも繋がりました。 【POINT】 *耐凝着性向上 *仕上がり |
まとめ
超硬合金材料の価格が高騰している今、以下の3点がコスト対策の鍵となります。
- 金型・切削工具の長寿命化
- 消耗による交換回数の削減
- 除膜・再研磨+再コートによる徹底したリユース
ジニアスコートHA(DLC)は、これらを実現する極めて有効な手段です。寿命改善や再コートのご検討、また具体的な技術相談につきましては、ぜひ下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。担当者が丁寧に対応させていただきます。
現在起こっている超硬不足の影響は、
金型や切削工具の調達・運用コストに大きな影響を及ぼし、
現場では「いかに超硬製品を長く、安定して使い続けるか」が、重要なテーマとなっています。
こうした状況の中、
超硬製品そのものを置き換えるのではなく、性能を維持しながら使用期間を延ばす技術が注目されています。
今回は、その有効な手段の一つとして、
DLCコーティングによる超硬金型・切削工具の長寿命化と再利用についてご紹介しました。
ご不明な点等がございましたら、下記からお気軽にお問い合わせください。
担当者が丁寧に対応致します。

